ニュージーランドは治安の良い国というイメージが定着している気がします。"人口よりも羊の数が多い"ってのがインパクト強すぎ。もう、牧歌的な風景しか想像できない。でも、だからと言って羊の大群がそこらじゅうで草をムハムハ食べたりしてるわけではありません。や、食べていることもありますが、少なくともAuckland市内ではあまり見かけません。
残念ながら2000年以降の資料がネットでは公開されていないため確かなことはわからないのですが、人口増加によって犯罪も増加傾向にあるような気がします。
あたしが腰をぬかしそうになったのは、2000年の資料にある「人口1000人あたり111人が何らかの犯罪者であったことになる」の部分。そりゃー犯罪にもイロイロあるだろうけど、10人に1人が犯罪者ってのはどうなのよ。しかも、同年の警察による事件検挙率は41%。これを"治安が良い"と言えるのかどうかはかなり疑問です。
確かに、あたしの周囲でも空き巣に入られた友人が少なくとも10人はいるし、車の盗難、傷害事件に発展したケンカなどはよく耳にしますが、逆に殺人などの凶悪犯罪件数は比較的少ない気がします。また、殺人の理由が「金銭を奪うため」とか、「被害者を憎んでいた」のように、ある意味わかりやすい。通り魔的な"快楽殺人"はめったにありません。
以前、"羊たちの沈黙"でジョディ・フォスターが演じていた捜査官のモデルとなった、Robert K. Ressler氏の著書と出会って以来、"快楽殺人"における行動科学や心理的プロファイリングに関する資料や文献を読み漁りましたが、ホント、人間の心なんて簡単に壊れちゃうのねと思う。
子供の頃に受けた虐待などのトラウマや脳に物理的なダメージが与えられたことがきっかけになって(もちろん要因はこれだけに限りません)、ある日、ナンパしてきた女性を煮込んで食べたりするわけですよ。
しかももっとオソロシイのは、成長期の環境や事故などによっては、あたしはもちろんアナタにだって、そんな狂気に飲み込まれてしまう可能性があったかもしれないということ。
ニュージーランドでも、最近は幼児虐待に関するニュースが増えてきています。劇的に変化する人口、経済、環境などが人々にストレスを与えているのであれば、そのシワヨセを受けているのは子供達かもしれない。彼らの中で狂気が育ちませんように。
参考1: プロファイル研究所
"猟奇殺人犯アーカイブ"にて、加害者の生活環境や犯行に至った原因、公式発表されたプロファイリングを掲載。写真によってはグロもあります。自己の判断で閲覧ください。
参考2: Crime Library
おそらく世界最強の犯罪者データ・ベース。事件の詳細から、のちの裁判における事件進行状況なども常時アップデート。
参考3: FBI心理分析官 - 異常殺人者たちの素顔に迫る衝撃の手記
参考4: 快楽殺人の心理
2 comments:
アメリカも犯罪は多いです。ダンナが元警察官、義父とダンナの叔父さんも警察官としてリタイアしてますから、犯罪心理学は興味深い。。。。また、前のダンナの父が殺人罪で刑務所に入っていたこともあります。
同感、狂気と正気は、まさに紙一重。実は、私達、普通と思っている人間にも、犯罪を犯す本能みたいなものが、あるんだよね。まぁ、普通は、それを抑えているのだが。。。
実際、母親となった今、大切だと思うのは、適度の愛情をそそぎながら、子供をきっちり指導していくことだなぁ、と思う毎日。とホホ、なかなか、難しい。。。
お互い、犯罪の対象にならぬよう、日ごろから、用心が肝心。
> Cha Chaさん
ご主人が元警察官と聞いて、消防士の旦那を持つ知人が、「毎日こっちまで生きた心地がしない」と嘆いていたのを思い出しました。警察官や消防士として活躍されているパートナーを持つことは、常に不安と背中合わせになることなのかもしれません。
でも、一般人にとっては彼らの活躍が必要だし、微妙な気持ちになりますね。
Cha Chaさんの言う通り、人は誰でも"狂気の箱"のようなものを持っているんだと思います。そして、ある日何らかのきっかけで箱のフタが開いてしまう人もいるし、開かない人もいる。
狂気は外から侵入してくるのではなく、内側から成長するものなんだと認識すると、なんだか怖さが倍増します。
猟奇殺人や快楽殺人に関しては拒否反応を持たれる方もいるだろうし、ブログで触れるのは反則かもしれないのですが、実際、犯罪心理学は非常に興味深い分野だと思っています。いつか、もっとドロドロしたのを書いてしまうかも(笑)。
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