Monday, August 07, 2006
韓国の行方

北朝鮮という国は内側がよく見えないせいか、なんだかワケのわからない国ですが、最近は2重マブタのプチ整形でおなじみ、ノムヒョン大統領率いる韓国も何だか暴走してますね。

先日の北朝鮮によるテポドンの件では、ミサイルが発射されている最中、ドサクサにまぎれて日本海域に偵察艇を送り込んでみたり、国際舞台では呼ばれてもいないのにシャシャリ出て力いっぱい北を擁護。さらには「北を敵視する日本とは対決しなければならない」と自らも日本にケンカを売ったりで、反日政策は絶好調のようです。
ま、ノムヒョンさんは韓国国内でも支持率が1ケタしかないらしいので、ある意味トンデモ大統領なのかもしれませんが、ここんとこ1年くらいアメリカに対して「戦時指揮権を早いとこ返せ」と強硬に訴えているのがマジで実現してしまったら、一体何をするつもりなんでしょうかね。

えー、戦時指揮権ってのは戦争などが起きた際に誰がその指揮を取るかってことですが、韓国ではアメリカがこの権利を持っています。そのため、国内には日本と同じようにアメリカ軍の基地がいくつかあって、軍事演習なんかも行われてる。
んじゃ、「なんでアメリカがそんな権利持ってんの?」、「そもそもどうして朝鮮半島は北と南に分かれてんの?」と疑問をお持ちの方のためにも、サササと経緯を書いておきましょう。

朝鮮半島が日本の植民地下にあった1945年8月8日、第二次世界大戦が終ろうとしていたときのことです。2日前には広島に原爆が投下されて敗戦がほぼ確実になっていた日本に対して、ソ連が火事場ドロボー的に宣戦布告してきました。ソ連は満州からスタートし、のちに北方領土問題に発展する樺太まで進撃、その際に今の北朝鮮全域を制圧したんですね。
これを知ってあわてたのがアメリカ。15日に日本がポツダム宣言を受け入れて大戦が終結し、朝鮮半島が日本の植民地でなくなった直後に半島の南側から上陸すると、北側にいたソ連に、「真ん中で線引いて半分ずつにしようぜ」と提案。これが現在でも北と南の事実上の国境となっている38度線です。

翌年の1946年、ソ連傘下であり共産色の強くなった北で、金日成をリーダーにした共産主義国家の基盤ができあがります。一方、アメリカ傘下の南では李承晩が初代大統領に就任、こちらでも国づくりが始まりました。
この時点からすでに北と南は仲が悪く、北が南への送電を止めてみたり、ゲリラが暴れたり、国境付近での小競り合いが絶えなかったりと常にモメていたわけですが、1949年までにはアメリカもソ連も司令部を撤退。ただし、南がいきなり北に攻撃をかけたりすると、それが元でアメリカ対ソ連の大規模な戦争が勃発するおそれがあったし、それまで朝鮮半島を植民地にしていた日本への報復攻撃をかける可能性もあったため、南の戦時指揮権はアメリカが持つことにして、アメリカの許可がなければ他国を攻撃できないようにしたわけです。

ま、結局はその後、北がソ連と中国を丸め込んで南に攻め込んだために朝鮮戦争が起きるんですが、南の戦時指揮権は現在でもアメリカが継続して所有しています。
で、ノムヒョンさんはこれを返せとおっしゃる。
確かに、一国の主でありながら戦時指揮権を持てないことへのジレンマがあるだろうことは感情論としてはわかる。でも、アメリカのバックアップがあったからこそ国家設立が実現した韓国にとって、アメリカを切り捨てることには多大なリスクも伴うわけです。パトロンを失った不安定な国家からはまず外資が逃げていくし、そうなれば経済がガタガタになる危険性すらある。

じゃあ、そこまでリスクを背負って何がしたいのか?

日本への報復戦ですね。ノムヒョンさんはそれほど日本が嫌いです。というか、彼の主体になっている政策自体が"反日政策"です。
実際、北との確執なんて今じゃあってないようなものだし、戦時指揮権を手にしたからと言って北に攻撃をかけることはまずありえない。逆に北の持つ核は魅力だし、北と手を組めばロシアと中国が新しいパトロンとして面倒を見てくれるかもしれません。ニュースを読んでいると、韓国が中国に対して何かしらの条件をすでに提示しているものの、中国はその要求が現時点では了解できず、交渉段階にあるような雰囲気が漂っています。

ところで、韓国がアメリカを捨てて共産国に依存することになると、日本はどうなるんでしょうね。西側は敵ばっかりで、アメリカと共産国との間でサンドイッチ状態。さらに共産国の向こう側には、アメリカが独占しておきたい油田がゴロゴロ。

もう、地獄絵巻みたいな図しか浮ばないのでコワくて書けません。

ま、すべてが韓国が計算している通りに進むかどうかにはかなりの疑問がありますが、可能性としてはありえない話じゃない。そして、遅くても2012年、実際にはそれより2、3年前倒しでアメリカが韓国に戦時指揮権を返還することだけは確実なようです。

ああ、昨日の広島における原爆死没者慰霊式・平和祈念式で4万5000人が平和を祈っている間にも、アメリカから提供された武器によって、イスラエルがレバノンに対し36時間内で160回もの空爆をかけ、対するヒズボラ側もシリア経由で入手したロシアとイランの武器で応戦しているという事実。
また、15日の終戦記念日には、首相の靖国神社参拝の件でまた韓国、中国の反日感情が爆発するだろうし、あたしもボヤかずにはいられません。



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