Monday, August 14, 2006
イスラエルは待っていた

飲むのが忙しくてしばらく更新をサボっておりました。えーおかげさまでウチの会社が運営を担当することになったBarがオープンしました。詳細やらイロイロと報告しようと思っていたのですが、本日の午後5時(ニュージーランド時間)にイスラエルとヒズボラの双方が停戦に応じたニュースを観て、今回の戦闘についてまとめてみたくなりました。

とりあえず、7月12日に勃発したイスラエルとヒズボラの戦いについて簡単におさらいをしておきたい方は"3分でわかるレバノン危機"をどうぞ。

さて、約1ヵ月にわたって両者どちらも譲らずの状態が続いた戦いでしたが、昨日13日に国連安保理の決議で停戦が受諾され、今日の5時にはヒズボラのお膝元、レバノン南部への攻撃がピタリと止まったとのこと。
振り返ればこの1ヵ月、あたしはニュースを読むたびに様々な疑問を持ちました。

そもそも戦闘が始まった理由は、ヒズボラによるイスラエル兵士の拉致でしたが、この地域では拉致や小競り合いなんて結構頻繁に起きていて、今更2人ぐらい拉致されたからって、それがきっかけで戦闘が始まること自体が不自然なんですね。ある意味"いつものこと"なのに、なぜイスラエルは今回に限って売られたケンカを買ったのか。

次に、戦闘が開始されてすぐ、イスラエルは誤射と言い訳をしつつ、レバノンの国連関連施設ごと国連監視員4人を吹き飛ばしてますが、アレがどうしても納得いかない。
監視員たちが10回以上に渡って「国連施設だから攻撃すんな」とイスラエルに警告を出していたことはニュースにも記載されてるし、あの攻撃は故意だったとしか考えられません。しかも、監視員からの警告に対してイスラエルは「攻撃しません」と返答していたのに、実際は精密誘導弾でモロ狙い撃ちですよ。
だいたい、国連監視員殺害がヒズボラにダメージを与えるわけじゃないし、こんなことしたら逆に国連とイスラエルの間に確執が生まれるだけ。そんなリスクを背負ってまで攻撃する理由なんて、口封じぐらいしか思いつきません。確実に抹殺する必要があったから、精密誘導弾だったのかもしれない。じゃぁ、そこまでしてイスラエルが隠したかった秘密とは何か。

3つ目の疑問は、なぜレバノンの民間人ばかりが狙われたのか。
ま、戦争ってのはそりゃー誤爆もあるでしょうし、民間人が犠牲になるのは避けられないのかもしれませんが、今回はちょっと普通じゃない。これまた狙い撃ちのように医療施設や住宅地にまで攻撃をかけたおかげで、関係のない人たちがバタバタ亡くなってるわけです。
戦闘相手はイスラム教の少数派、シーア派のヒズボラですが、これだけドッカンドッカン爆弾を落とせば、レバノン国内に住む多数派のスンニ派からも怒りを買うことになるのはわかっているはずなのに、なぜ手加減しなかったのか。

最後の疑問は、なぜ停戦にこんなに時間がかかったのか。
国連から散々「いい加減に攻撃やめろよ」と言われていたのにもかかわらず、イスラエルはかなり強い口調で「それだけはムリ。我々は自国を守ってるだけ」と主張しながら、ずっと停戦を拒み続けていました。それどころか、世界から集まるイスラエルへの非難の声が高まるのと比例して、攻撃は激しさを増していったんです。まるで、自分が悪者になるのを楽しんでいるかのように。
ところが、今日になって条件なしでいきなり停戦ですよ。それなら、もっと前に停戦できたはずじゃないの?

ま、どこもかしこも疑問だらけなんですが、実は、これらの疑問が一気に解決してしまうひとつの仮説があるんです。

イスラエルは待っていたんですよ。刺激された他のイスラム教国が攻撃してくるのを。

だから、まず怒りを買う必要があったんです。攻撃さえされてしまえば、彼らの言う「自国を守るため」の正当な理由を持つことができますね。武器はアメリカからいくらでも調達できる。ま、今更ですけど、今も昔も彼らが一掃しようとしているのは、シーア派でも、ましてやヒズボラでもなく、イスラム教そのものですから。
うまいことイスラム連合軍が結成されて攻撃してきたら、あとは世界が知ってる公然の秘密、アメリカが作ってくれた自国の核をドカーンと落として、きれいサッパリ。周囲に敵のない、新しいイスラエルの誕生です。

ええと、聖書ではこれをハルマゲドンと呼んでますね。

さすがに周辺のイスラム教国もイスラエルの計画に気づいて、武器を提供する程度の協力しかしませんでしたが、民衆の感情まではなかなかコントロールできないもの。実際、今月のはじめにはイランの有志が集まってヒズボラに加勢しようとしたため、イラン政府が一時的に国境を封鎖して出国を拒否したニュースがありました。危ないとこだった。

国連監視員を殺害してまでイスラエルが守りたかった秘密に関しては、正直、あたしにもわかりません。今のとこ、アメリカの最新兵器のテスト使用を隠すためだったんじゃないかという説が有力のようですが。イラクでも使用されたとみられるマイクロ波を発射する指向性エネルギー兵器なんか、照射されると人間がレンジでチン状態になるらしいですからね。コワいです。
レバノンでもレンチン遺体らしきものを目撃したという記事を載せているメディアもあるので、テスト使用隠蔽説は本当かもしれません。アメリカの最新兵器に興味があり、グロに耐えられる勇気のある方は、イタリアの報道番組がまとめたこちらの動画をどうぞ。ちなみにあたしは観てません。動画の紹介文があまりにもスゴくて、コワくて観れません。

今回の突然の停戦は、いくら煽ってもイスラム教国は攻めてこないし、これ以上悪役を続けるとイスラエルの国際的な評価が下がり過ぎると判断したからのような気がします。でも、しばらくはイスラエル軍がレバノン南部に駐留するし、まだ終ったわけじゃないのかも。



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1 comments:

Anonymous said...

日本も昨日の終戦記念日に小泉さんが
靖国詣でをしたりして、メディアでは戦争関連のお話が盛んです。

反対派の主な意見は「アジア外交への刺激が強い」というものですが、
個人的には、日本は中韓には60年以上謝り続けてるわけで、
大虐殺とか過去のセンシティブな問題を”教育上”どう教えるかは
再度議論の必要があるとしても、「謝れ!」「もう謝ったじゃん!」
的な罵倒のし合いは、もうおしまいでいいと思し、
だから靖国詣でが是か非かと言うと、個人的には「是」です。


ハッキリ言って戦争というのは良いとか悪いとか議論をするまでもなく、
どんな理由があるにせよ、してはいけないモノだと思っているので、
今の中東情勢は本当に「悲しい」のひとことに尽きます。

こないだテレビで、9.11で息子を殺された父親が、
イラク戦争が開戦した時に、軍に「うちの息子の名前を
書いた爆弾を落としてくれ」っていうお願いのメールを打ったって話があって
背筋が寒くなりました。
もちろん私は家族を戦争で失ったことはないですけど、
この終わりなき連鎖に恐ろしくなります。

超小さい次元で言えば、体育会系の部活で、イジメに遭ってた後輩は、
自分が2年3年になれば、同じように後輩イジメをやるのに似ています。

「自分がやられて嫌なことは、他の人だって嫌だ」。

この当たり前の原則に、世界中の人が気付いてくれればいいのに。。

追>
で、デザイナーT氏から連絡来ました? こないだイベントで会ったので、
そんときも言っておきました。
新しいBarのレポート、楽しみにしてるっす。

8/16/2006 4:50 pm