あたしは6の段までしかカケ算ができない(それ以上大きな数は逆からカケる)くらい知能指数の低い人間なのであまり難しいことは言いたくないのですが、今月の始めから何かと騒がれているムハンマドの風刺画に関して、"報道・表現の自由"が乱用されている気がしてならないので、長くなりそうだけど書いてみます。
ちなみにあたしはムスリム(イスラム教徒)ではないし、宗教すら持ってません。
イスラム教の預言者であるムハンマドが導火線の付いた爆弾型ターバンを巻いている風刺画(マンガ)を昨年9月にデンマークの新聞が掲載したことから、ムスリムたちが預言者をテロリスト扱いしたとして反発。その後、2月1日にドイツ、フランス、イタリア、スペインの4ヵ国の主要紙が同じ風刺画を掲載し、社説において「イスラム教の世界には風刺を理解する力はないのか。イスラム教徒の抗議は偽善だ」と言い放った。
これにより、各国で暴徒化したムスリムたちによる大使館焼き討ちなどのテロが加速。イランではデンマークに対して通商を断絶する事態にまで発展している。
ま、非常に簡単ですがこんな感じです。日本のニュースではシャレがわからないムスリムに対しての皮肉なのか、記事に"文明の衝突"なんて見出しをつけたりしています。
じゃー、シャレのネタになったムハンマドとはどんな人なんでしょ。
世界3大宗教にはそれぞれ預言者と呼ばれる、神のお告げを聞いた人たちがいましたよね。キリスト教のイエス・キリスト、ユダヤ教のモーゼ、そしてイスラム教のムハンマド。ムハンマドは570AC?632AC頃に実在した人物で、神の声を元にコーランを記したことでも知られてます。そしてココが非常に重要なんですが、イスラム教以前のアラブでは偶像崇拝があたりまえに行われていましたが、ムハンマドによってイスラム教では偶像崇拝が完全に排除されました。偶像崇拝ってのはアレね、キリスト像とか仏像とか観音像のような信仰の対象となるものを彫刻や絵にして拝んだりすることね。だからイスラム教には神の彫刻や絵が一切ありません。
またムハンマドは神ではなく、あくまでも神の声を聞くことができる権利を与えられた聖者(派によっては異なる)として位置付けられていますが、だからといって彼の彫刻や絵が拝まれることもありません。
ムスリムの皆さんは聖地マッカ(メッカ)の箱、カアバ神殿に向かって祈ります。箱の中には何も入ってません。
さて、で、風刺画の話に戻るわけですが、偶像崇拝が禁止されている宗教に対して預言者のバカ・マンガを描いておきながら「オメーらにはシャレがわかんねぇのかよ」と言うことがどれほど無謀なのかを理解していただきたい。
また、ムスリムの中には過激派と呼ばれる原理主義者だけでなく、普通にイスラム教を信仰してる人もいるわけで、その人たちにまでケンカを売りつつ"報道・表現の自由"で片付けようとするなんてマジでどうかと思う。
ニュージーランドではDominion PostとThe Pressの2紙が「読者に何が問題となっているのか知らせることが重要だ」という理由で、"報道の自由"の名のもとにわざわざ風刺画付きの記事を4日に掲載しました。アホか。
でも、ムスリムが暴徒化することで"戦い"が起こることもいただけません。どうせなら、ブッシュ(や、問題になってるのはヨーロッパなんだけど)と肩を組んだキリストが核発射ボタンを押そうとしてるマンガでも描いて対抗すればよかったのにね。それはそれで大騒ぎになるだろうけど、「これだからクリスチャンはシャレがわからなくて困る」で対抗・・・。ダメだ。間違いなく戦争になる。
オマケ:
興味のある方はイスラム教に関する説明を掲載している世界史の先生、金岡新氏によるサイトをぜひ。サルのあたしでもよくわかりました。
世界史講義録 - イスラム教の特徴
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