めったに連絡をよこさない日本の友人から、こんなメールが来ました。
「イスラエルとレバノンがドンパチやってるというのに、なんでノホホンと日記なんぞ書いているのか。アンタのパスポートのことなんかどうでもいい。早急にわかりやすく事態を説明せよ」
・・・はい。わかりました。
ここでちょっとおさらいしておきますが、イスラエル人ってのはユダヤ人(教徒)のことですね。で、対するシーア派ってのはイスラム教の約20%を占める少数派。でもって、シーア派が多くいるのはイランです。
さあ、いきなりキナ臭くなってまいりました。
なぜキナ臭いのかと疑問をお持ちの方には、まずこのエントリからお読みいただくとして、とりあえず話を進めましょう。
地理的にはイスラエルが南、レバノンが北にあり、両国はタテに隣り合ってるんですね。で、12日にヒズボラが国境を越えてイスラエルへ侵入し、イスラエル軍の兵士2人を拉致しました。ニュースを読んでいると、武装した血の気の荒いゲリラ・グループがいきなり拉致したような書かれようなんですが、実はヒズボラはレバノンの政党で、国会議員には13人もヒズボラ党の人材がいるし、大臣もいるんですよ。んで、気になるのはなぜ彼らがイスラエル人拉致に踏み切ったかという理由。
まずは基礎の基礎から。
2000年以上前、ユダヤ人は中東にイスラエルという自国を持っていましたが、国が滅んだためにその後は世界中にちらばっていました。そして、第二次世界大戦以降、今の中東に無理矢理イスラエルを再建したんですね。で、それに反発したのがその地域をパレスチナと呼んで暮らしていたアラブ人たち。つまり早い話が「オレらの土地から出て行け」、「いや、オマエこそ出て行け」ってのが中東問題です。この争いがもう60年以上続いてる。そして、周囲を敵に囲まれているイスラエルでは、多くの周辺国のアラブ人が質人として刑務所に収容されてるわけです。
今回、ヒズボラがイスラエル人を拉致したのは、この2人を解放する代わりに、イスラエルに収容されているアラブ人の人質を釈放しろという大きな交換条件があったんですが、なぜか報道ではその部分がアイマイになってきてる気がしますね。
そんでもって、人質解放の代わりにイスラエルは売られたケンカを買ってしまい、24年ぶりにレバノンに侵攻、戦いの火蓋が切って落とされることになりました。ただ、これは国対国の戦争じゃないんです。あくまでもイスラエル対ヒズボラの戦い。
ところで、レバノンってのは小さな国なんですよ。大きさは岐阜県とほぼ同じで、人口は460万人程度。しかもそんな国の1政党が、なぜ多くの財閥を世界規模で操っていると言われるユダヤ人たちとドンパチできるほどの戦力を持っているのか。・・・彼らをサポートしてる他国がいるんですね。
で、翌13日にヒズボラがイスラエルに向けて発射したミサイルがイラン製だったことがわかって、もう世界騒然。イランのシーア派たちはヒズボラの旗を振りまくって珍走団みたいなことになってるし、ユダヤ資本のメディア(特にアメリカのTV)からは妙に偏った報道が次々と飛び出すし、アメリカのライス国務長官に至っては「ヒズボラのない新しい中東を」なんて口走ってイスラエル擁護に奔走するし、メチャクチャですよ。
結局、話はイランとアメリカ。つまり、石油取引。カネですわな。カネ。
ちなみに、18日にイスラエルで行われた世論調査では、「話し合いで決着をつけるべき」がわずか17%で、国をあげてもうやっちまえ状態。対するヒズボラ側は、イスラエルより10倍近くの死者を出しながらも未だ抵抗を続けています。犠牲になってるのは民間人ばっかり。
しかも、レバノンの首相はヒズボラの派閥、シーア派と対立しているスンニ派の人なので、板ばさみになったままどーにもこーにもできないのが現実。
長期戦になりそうなこの戦い、デカいことにならなきゃいいんですが、これが飛び火してまたアメリカでテロでも起きたら本当にヤバイです。
さらに、今回の件でヨーロッパの各国がどちらサイドについているのかがコメントではっきりとわかり、これも恐怖心を煽ります。
宗教サイドから見たアメリカとイランに関しては、あたしの世界滅亡妄想が爆走した"ハルマゲドン・シリーズ"のPart 2あたりを読んでいただくと・・・いいのか悪いのかわかりません。気になる方だけどうぞ。
ハルマゲドンは来るのか Part1 >> Part2 >> Part3